【試乗記】C35ローレル

今回はC35ローレルについてレビューします。
乗った車はRB20DEというNAエンジンのクラブSです。

見た目がエレガントなメダリストと、ちょっとやんちゃなクラブSがラインナップされており、ミドルセダンとしてなかなかな風格のある車になっています。

ただ、確かに風格はあるものの、私が乗った2000ccNAモデルは車重が1.5tぐらいある大柄なボディーに、たった160馬力のエンジンを乗せたとても非力なタイプです。坂道なんかで恥ずかしいぐらいのエンジン音を奏でてしまうので、私なら間違いなくRB25DETという2500ccターボを積んだモデルにしますね。2500ccNAモデルも魅力的です。

しかしながら非力なエンジンでもクラブSというスポーツモデルの端くれ。速ささえ求めなければ実はキビキビ走ってくれます。クラブSは前後にスタビライザーを装備し、ロールもしっかり制御されています。しかも、それ以上にスカイラインで有名なRB系エンジンからの直6サウンドはとても気持ちいい。セダンではなかなかない高回転型エンジンで7500回転まで回すと自然に気分が高揚してきます。

シャーシのベースがR33スカイラインということもあり走りの素性はとてもよく、山道を気持ちよくツーリングすることも十分可能です。ただし、スピードの出しすぎには注意ですね。1.5トンを超える車重に対してブレーキがかなりプアですので止まれない可能性が出てきます。

さて、走りの面で優位なR33ベースのシャーシですが、実はリアの居住性には難ありです。シートが座りにくいということは無いですが、足元スペースがセダンとは思えないほどとっても狭い。

原因としては車の長さは(4765)と長い目の部類になっていると思いますが、直6エンジンによるボンネットの長さと現代の車のようにトランクスペースをなるべく室内に共存させるような形になっていない事により、残念ながら室内長の確保には貢献が無かったということでしょう。

ですが、私個人としてはこのデザインは好きです。ザ・セダンのような形をしてるので今のトランクの短いデザインの車よりスタイリッシュだと感じます。トランクが短いとどうしてもずんぐりした印象の車になってしまいますから。

せっかくなのでついでにエクステリア、インテリアの話もしておきましょう。
エクステリアはセダンらしさが出ていて私好み。角ばったデザインが今の車と比較すると逆に新鮮かもしれません。フードの長さは先に述べました直6エンジンの賜物。

ボンネットは中心が膨らむようなデザインになっているので前は見難いかもしれません。プラスして太陽がその膨らんだ部分に反射してまぶしいことがありました。デザインといえどもそれはどうでしょうか。全体的に平べったく薄い印象で幅広のイメージをもたれるかもしれませんが、案外サイズは手ごろです(1730mm)。

インテリアはおしゃれだと思います。当時の車では少ないエアバックの盛り上がりを隠し、今の収納収納といったことは無く、無駄な段差に木目という所が遊び心があって私はいいと考えています。特にメーターフードがポッコリ出ていないので視界がフラットでどちらかといえば旧車の雰囲気を持っているのではないでしょうか。

グレードによっては黒木目やサンルーフ、本革まで用意されているので当時のミドルセダンの中では結構上級の部類になっていると思います。しかも、ずっと不人気だったために中古市場では上玉がかなりお値打ちな価格で転がっています。

最後になりましたが、走りに対する楽しさ、運転する楽しさを忘れず、全体的に無駄なモダンさを持っている車です。無駄だから無くていいのではなく、無駄なんだけどあったほうが楽しい、美しいといった感じを受けます。

走るタンスのような車ではなく、ふらっと車に乗る意味を付け足してくれる車だと私は感じました。乗り味も楽しくお勧めです。

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