エンジン性能曲線をみてカーカタログを100倍楽しもう!

エンジン性能曲線をみてカーカタログを100倍楽しもう!

車のカタログには様々な情報がかかれていますが、エンジン性能曲線というものが書かれているのはご存知でしょうか?恐らく、車好きでない限りはスルーしているでしょうし、車好きでも最高トルク、最高出力の確認のみで済ませている方が多いと思います。ただ、このグラフから車の特性や性格を想像し、試乗等で答え合わせするのも楽しみ方の一つだと思うので、是非とも読み飛ばさず読み取っていただければと思います。

トルクとパワーの違い

エンジン性能曲線を読み解く前に、重要な項目であるトルクとパワーについて理解を深めておきましょう。まず前提として、地球上の物質には慣性の法則が働いており、それによって物質が停止状態の場合はその場に留まろうという力が働いています。当然、停止し続けようとしているので、これを動かすには大きな力が必要になります。

そんな時に大きな力を発揮するのがトルクです。トルクは「回転させる力」といわれ、この数値が大きければ大きいほど、停止し続けようとする物質を軽く動かせるようになります。そのため、車の場合だと、出だしや加速に関係する部分だと思ってください。実は最高トルクでの走行はエンジンの効率が最もよく燃費も良くなるポイントと考えられているようです。因みにこれまで日本での単位はkgmでしたが、現在ではNmを使用しています(併記が多い)

一方でパワーですがこちらは「一定時間にする仕事」を表しています。実はトルクとパワー(出力・馬力)は密接な関係があり、単純な式で表すとトルク×回転数=仕事(W)となっています。理論的には低トルクでも高回転であったり(昔のEJ20とか)、低回転でも高トルク(ディーゼルエンジン)であれば仕事量は多くなります。当然仕事量が増えると走行スピードも速くなるのでトップスピードに関して関係があると言われています(ギアとの兼ね合いが重要ですが・・・)

日本ではpsという単位を使用していましたが、現在は本来の仕事量の単位であるw(ワット)へと単位が変化しつつあります。因みに1psは735.4wですが、実際に換算する場合は上記の単純な式では不足しているので、換算サイト等で計算してみて下さい。

グラフの見方(150プラドディーゼル中期)

150プラドディーゼル中期(パワーアップ前)のエンジン性能は

  • 最大トルク450Nm:1600~2400回転で発揮
  • 最大出力130kW:3400回転(176ps)

となっております。最近の車の傾向としてトルクカーブ(赤い線)にフラットな部分があり、比較的どの回転数でも力強いトルクが発揮されるようになっています。特にこの車はディーゼルエンジンのため、低い回転から強いトルクを発揮しており、重い車体を動かすだけでなく牽引や積載に関しても高い能力を持っていそうです。

一方で出力は3400回転で最高となっているので、加速から高速運転を狙うのであればパワーバンドと呼ばれる2400回転から3400回転で走行すると良さそうです。この車は実際に所有している車ですが、走行した感じですと2500回転程度が一番いい感じで走れるのではと思います。

150プラド2.7Lガソリンエンジン

150プラドを語るときに、どうしても非力と言われる2.7Lガソリンエンジンですが、本当にそうなんでしょうか?

  • 最大トルク:246Nm:3900回転
  • 最大出力:120kW:5200回転(163ps)

最大トルクも最大出力も一点でしかありませんが、もう少し良くグラフを見てみましょう。まず、トルクカーブですが最高点は3900回転ですが、2000回転から5000回転近くまでほぼフラットなトルクが出ています。特に最高出力の5200回転近くまで高いトルクを維持しているので、エンジンを回してもトルク落ちが少なく、どんどん走っていくような車だと思います。もちろん車重もありますが、まさしくクルージングするように走るには快適な特性を持ったエンジンではないでしょうか。

GRヤリス

次に話題のGRヤリスを見てみましょう。

  • 最大トルク:370Nm:3000~4600回転
  • 最大出力:200kW:6500回転(272ps)

こういったハイパワーエンジンの車は低速トルクが不足しがちですが、常用域の2000回転付近で250Nm:25kgfm程度出ているので車重も相まって町乗りでもノンストレスで走行することができそうです。また、ピーク以降のトルクの落ち込みもなだらかなので、最高出力の6500回転まで気持ちよく走っていく車のようです。

GRスープラ

今度はGRスープラのエンジン特性を見てみましょう。

  • 最高トルク:500Nm:1600~4500回転
  • 最大出力:250kW:5000回転(340ps)

これは、凄く扱いやすそうなエンジンですね。トルクもフラットながら最大出力に関してもフラットになっています。7000回転まで回すのも楽しそうですが、最高トルクと最高出力が近いので5000回転付近がとても気になります。最近、MTの設定ができたので一度乗ってみたい車の一つになっています。

番外編(エクストレイル)

二代目のエクストレイルの特性表です。今まで示してきたエンジンはトルクがフラットな物ばかりでしたが、実はこれはエンジン性能が上がった最近の車の傾向で(制御で抑えているという話も)、一昔前のエンジンでは画像の通りフラットなトルクなんてまずありませんでした。そのため、パワーバンドと呼ばれる最大トルクと最大出力の間でギアチェンジをして気持ちよく走るというテクニックもあったわけです。

ただ、フラット特性のエンジンだから楽しくないのではなく、多くのテクニックを必要とせず気持ちよくMTの運転ができるので、悪い傾向ではないと思います。扱いにくいエンジンをテクニックで押さえつけるのも楽しい遊びの一つですが、誰でも気持ちよくスポーツ走行が楽しめ、どんどん車に興味を持つ子供たちが増えることを願います。それではこの辺で(^^)/~~~

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