セルモーターの仕組み&壊れたらどうなるの?
エンジンを動かすにはクランクシャフトが肝
一般的な4サイクルエンジンだと
- ピストンが下がり空気&燃料を吸う
- ピストンが上がり混合気を圧縮
- 混合気に点火し燃焼。ピストンが下がる
- ピストンが上がり、燃焼ガスを輩出する
という工程を行っています。そして、この上下するピストンが繋がっている部分がクランクシャフトという部分であり、これが回転することで車は動いている訳です。
ただ、これはエンジンがかかっている場合の話です。止まっているエンジンの場合は混合器を吸うにしてもピストン自体が動いていません。この止まっているピストンを動かしてあげないとエンジンはかからないのです。
そこでこの止まっているピストンを動かすために、ピストンにつながっているクランクシャフトを回転させる必要が出てきます。それを担っているのがセルモーターという部分なんですね。
セルモーターは力持ち
実は、クランクシャフトを回そうと思ってもそう簡単に回る物ではありません。重たい鉄の塊ですし、ギアやらピストンやらでさらに動きにくくなっています。大昔の車を始動するのにL字のようなクランク棒というものを、頑張って人が回している映像がありますが、それぐらい力が必要になってきます(昔はセルモーターが無かったので人力でした)
実際はクランクシャフトの端にフライホイールという大きなリングギアが付いた円盤が取り付けられています。そして、この円周上にあるリングギアに噛むようにセルモーターのギアが装着されています。
常にセルモーターのギアが噛んでいると、モーターにも悪いですし抵抗になって燃費や馬力に影響を及ぼすので
- セルを回すとセルモーターのギアが出る
- リングギアとセルのギアが噛んでフライホイールを回す
- クランクシャフトが回る
- ピストンが上下を始めて燃焼し、エンジンがかかる
といった仕組みになっています。理科の授業で習った方も多いと思いますが、支点から力点の距離が離れれば離れるほどてこの原理で力点で入力した力は倍増されます。この場合はフライホイールの中心が支点であり作用点となり、セルモーターのギア部分が力点となります。
このような仕組みで小さなセルモーターでも重くて大きいクランクシャフトを動かすことが出来ているのです。セルモーターを回すときにバッテリー電力を大量に消費するのも頷けますよね。
壊れたらどうなる?
単純にエンジンがかからなくなります。昔のMT車であれば押し掛けが出来ましたがAT車ではまず動かせません。
これ、実は私が乗っていた車で実際に起きたことなんですが、一か月前からエンジンの始動にセルが回りにくいような違和感を感じていたんです。一応ディーラーの方にもお伺いを立てたんですが、常に現象が出ている訳ではないので様子見ということになっていました。
そして、ある日の朝、仕事に行こうとキーを捻ると全く反応がありません。バッテリー上がりならセルに反応があったりしますが、それすら感じられないのです。その日は慌てて別の車で仕事に行ったのですが、結局セルモーター御臨終で動かすこともできず積車でのピックアップとなりました。
文章では簡単に運んで行った感じがしますが、エンジンがかからない車を積車に乗せるのも大変。ちょっと坂になった駐車場から汗だくになりながら(ディーラーの人が)車を押し出し、やっとのことで運んでいってもらいました。
このような感じで、突然エンジンがかからなくなるととっても焦ります。これを防ぐには、セルが回りにくそうな症状が出始めたときにディーラーに預けてチェックするのが一番だと思います。私の場合の様に症状が再現する場合としない場合がありますが、何日か預けてみてもらう選択肢が取れるのであればそれがベストでしょう。
セルモーター自体は消耗品だと思いますので、古い車にお乗りの方は注意していただければと思います。それでは(^.^)/~~~
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