【試乗記】HNW20 プリウス

NHW20 いわゆる二代目のプリウスで環境商品としてハイブリットカーブームを打ち出したこの車を運転してきました。

まず、シートに座ると一つの謎が待っていました。それはシフトの使い方を調べるなり人に教えてもらうなりしなければならないこと。従来のものとは大きく異なり、Pがボタン式になりシフトの移動も全く新しいものとなっているためいきなり運転してみてくれと言われたところで動かせません。

近未来感を表すために新しいものを求めたのか、今までと違うという差別化や付加価値をつけたかったのか、それともそうしなければならない理由があったのかはわかりませんが、従来のものからこのタイプに変える必要性はなかったと思います。

「どうやって発進するの?」と聞いたのは初めての体験でした。

おそらくこの車を買うとホテルで自分の車を駐車場へ移動するという任務がついてくるでしょう。実は、ホテルで講演会の様なものをした際に、車の移動をホテル側がしてくれていたですが、発進させる方法がわからなかったらしくホテルマンが慌てて呼びにきたことが実際にありました。結局、説明しても伝わらなかったらしくその人は自分で移動させる羽目になってしまっていましたね(当時の話)。

とりあえず、私は試行錯誤しながら車を発進させる事に成功しました。買ったばかりのゲームを取説を見ないでプレイするような感覚でしょうか。とにかく表示を見ながらシフトでコマンド入力をしていきました。

プリウスは低速時にトルクフルなモーターを利用するシステムになっており40キロまでは驚くほど静かでスムーズに加速し、坂道も難なく登っていきます。近くを走っていても軽いモーター音がするぐらいで、後ろから来ても気がつかないほどです。

しかし、残念なことに、モーターは低速度時だけの作動ですので40キロ以降ではエンジンに切り替わり従来のエンジン音が聞こえ、先述の驚くような静かさはかき消されることになります。

インテリア

センターにはドーンと出っ張ったモニターがあり、ガンダムに出てくるトールギスだったかを連想させてくれました。このモニターは出っ張らせることなくもっとスリムに埋め込めなかったのだろうかと思ってしまいますね。

プリウスに限ったことではありませんが、ダッシュボードに盛り上がりがあるのが嫌いなのです。出来れば、メーターフードもフラットにしてくれればと思うほどですから。

メーターに関してプリウスはずっとセンターメーターを採用しています。センターメーターといえば視点移動が少なく、前から視線を逸らさなくていいため安全であったり、視認性に優れていたりするのですが、運転者の楽しみとして私はあまり好きではありません。

ただ、このプリウスのセンターメーターはセンターにありません。謎かけのようになりましたが、センターメーター内にあるキロ表示がかなり右側にあり、ほとんど運転者の前で表示されています。これなら確かに視点移動が少なく視認性もかなりいい。

エコなの?

エコ商品として大ヒットしいまやハリウッドでも環境に気を使っているアピールとして所有している人が多いプリウスですが問題点があります。いや、誰も疑問に思っていないのならば問題ではないのかもしれませんが・・・。

皆さんがCMを見たときに、あたかもCO2排出量が少ないように感じられるのではないでしょうか。確かに従来の車に比べて走行時のCO2排出量が少ないのは事実ですから嘘ではありませんが、ちょっとした仕組みが隠されています。

ハイブリットカーは従来のエンジンにプラスしてバッテリーやモーターを積んでいます。すなわちエンジンを作ることに加えモーターやバッテリーを作らなければならないということです。特に新型のプリウスも同じですが(厳密にはバッテリーの内容物は変わっています)バッテリーに使う原料を採掘しそれを船で輸送し、また精製し輸送してを繰り返しています。すなわち生産段階でのCO2排出量が従来の車に比べ非常に多くなってしまうのです。

トヨタによると最低でも3年3万キロ乗らないと従来車との生産段階において排出されるCO2排出量の差は縮まらないらしいです(トヨタ博物館のボードに書いてあった)。生産段階を基準としているため発掘や輸送を考えるとさらに差は大きいと私は考えています。

正直なところ、トヨタが言う3年3万キロを守れないドライバーは最先端の環境破壊を行うことになるため、エコカー減税分を返還しエコカー補助金も全額返却すべきではないでしょうか。エコが売り物、環境が売り物、地球を救うということなのでそれぐらいの責任を負うべきでしょう。

私はエコが売り物になっているのが気に食わないため辛口に書きましたが、総合的には普通の車でした。普通の車として10年10万キロ乗ってもらえれば環境に対してもやさしいと思います。

走っていて、乗っていて、運転していて面白みはないですが普段の足としては十分なパフォーマンスを持っており、買い物から旅行まで意外とタフにこなせる車でしょう。ぜひ、エコカーを購入する方は長期にわたって乗り続けることを使命としていただけると地球にもやさしい真のエコカーになれることでしょう。

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