【試乗記】M12リバティ

リバティと聞くとあっという間にラフェスタへとバトンタッチした短命の車種のイメージが拭いきれませんが、プレーリーの時代からカウントすると1980年代初期からになるのでかなり歴史ある車種です。

M12リバティは初期型から中期型になる際にプレーリーの名前が廃され「リバティ」のみの名称になりました。今回私が乗ったのはその中期型リバティで、さらにその中期型の中で一定期間だけ販売されていたナビつきモデルです。

さて、このリバティですが見た目からして腰高感がとってもあります。タイヤとホイールアーチの間などはRV車なみの間隔があり、実際走ってみるとその腰高感が顕著に現れています。コーナーでのロールは酷いし、ブレーキ時のノーズダイブもかなりします。横風などの影響もかなり強く、風が吹きぬける高速道路など結構注意が必要だと思われます。

しかしながら乗り心地はさほどフワフワした感じは伝わってきません。昔のラルゴなんかは酷かったですがその点では進歩しているようです。

このリバティ全般にいえるのがCVTの出来の悪さ。まだCVTが出始めた頃の車なので今ほど進歩していないことが原因・・・・かどうかはわかりませんが、発進時にアクセルをゆっくり踏んでいくとガクガクとクラッチが弾いているような振動がでます。また、ブレーキング時にも止まる寸前でドンっと後ろから押されるような衝撃と一瞬の加速を感じ、はっきり言ってこれは危険ではないかと思います。

実はこの車は我が家の車でして、このCVTの異音やその衝撃などを日産に言い続け、CVTの載せ替えまでしましたが10万キロ超えた今でも改善されていません。2013年8月までに日産に言えば工賃の負担のみでCVTをリビルド品(新品)に交換してくれるようです。

我が家のリバティは走行中に高いギアに固定されるという症状が頻発。自宅の駐車場の低い坂ですら吹かしても上らない状態になってしまいました。加えてCVTのチェーンの緩みからか異音が出るようなっているので依頼することにしました。現在順番待ちの状態となっています。

この時代、トヨタのガイアなど競合する車がいろいろありましたが内装に関してはかなりいいほうではないかと私は考えています。三列目の居住性がこのタイプの車はネックになってきますが大人二人が特に気にすることなく乗車することが出来ます。

特に中期モデルは三列目用のリアクーラーが標準装備になっており三列目も快適、風量調節も可能です。因みに後期型ではオプション扱いになってしまいます。ただ、5ナンバークラスのミニバン全般に言えることですが三列目使用時の荷室スペースはかなり小さいです。キャンプなどたくさんの荷物を積むレジャーにはきついかもしれません。ルーフキャリアなどで対応する必要が出てくるでしょう。

後期型も見る機会があったのですが特に大幅な変更はなさそうです。インパネやメーターの色がチカチカするオレンジ色に変更されていますが私は中期のちょっと暗めの白がお勧め。視認性の確保のためオレンジにしたのでしょうが、中期型のほうが落ち着いて運転することが出来て安全だと思います。

あと、中古車で買おうと思っているいる方はあまりお勧めしません。車自体はかなりお勧めですが、いかんせんCVTが駄目すぎる。燃費がいいイメージのあるCVTですがこのリバティではリッター10に届くか届かないかでよくありません。

しかも、このタイプのCVTでのトラブルが全国で多数報告され、日産でも工賃の負担のみでリビルド品に交換するなどの対応をしていることを考えると中古購入はあまりにリスキーでしょう。症状が出始めるのが10万キロ前後が多いようですので、5万キロぐらいの固体を購入できれば4~5年は乗れるかもしれませんね。

因みにナビつきモデルは日産でDVDナビのディスクを交換するといった方法でしか更新できませんので注意。最新型のHDDナビが欲しい方などはナビなしモデルですかね。ナビつきは操作盤が別にあり、モニター部は本当に薄いモニターしかなく奥行きに難があるので社外交換ができません。

いろいろ評しましたが、トータルではかなり出来のよい車です。CVTだったり、燃費だったりが改善されていれば今の時代でも十分需要があると思います。いい車になれそうで成れなかった惜しい車だと思います。

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