【試乗記】BMW E38 7シリーズ Mスポーツ

今回乗ったのはE38BMW7シリーズ Mスポーツ。大きなボディーに幅広大径タイヤを組み合わせ、サスも固めにローダウンした厳つい車です。

走り

大きくても走りのBMWということで期待して乗りましたが、やはりMスポといえどもそこは大型サルーン。エンジン自体のパワーはかなりあるので坂道などで苦しむことは全くありませんが、ファットな車重のためか信号待ちからの発進など「よっこらしょ」といったもたついた感じが否めません。

しかし、排気量が大きいのでぐっと踏んであげればうなり声を上げるように重いボディを加速させていきます。瞬間燃費を出してくれるメーターがついているのですが、ピコピコ動きまくります。

加速させた時の燃費はとんでもないことになりますが、ゆっくり走っていればむちゃくちゃ悪いということはありませんね。まぁ、この車にしてはという評価基準ですので普通の車と比べたら悪いと言い切るしかありません。

Mスポの足回りは固めのサスとちょっとしたローダウンになっているようです。なかなか男前なタイヤとフェンダーの隙間だったので乗り心地が不安になってきました。

普通に考えれば、サスを固めにしたりローダウンしたりすると乗り心地が圧倒的に悪くなるのが常ですからね。しかも、この車はただでさえ足回りが硬いといわれているBMWのMスポ。

しかし、その不安はちょっと走れば払拭されました。この部分には個人差があるでしょうが、程よい固さのサスペンションがキッチリ路面の段差を吸収し、お尻の下ぐらいで振動が消える感じを受けましたね。

おそらく、固めのサスと低めの車高で多少なりとも突き上げはあるのでしょうが、上手にお尻まで伝わってこないようにしてあります。いなすという言葉が相応しいのかもしれません。

さすがに街中や山道をキビキビ走る車ではないですが、高速をクルーズするには安定感と快適性はかなりのものではないでしょうか。

内装

内装はいたってシンプル。カチッとした感じのボタンやパネルは欧州車そのもので、固めのブラックレザーシートに黒の本木目という組み合わせが走りの高級車をアピールしてくれています。因みにBMW(他の外車もそう)はブレーキはペダルタイプ、アクセルはオルガンタイプなっています。

ATなら特に問題はないですが、MTでトゥーヒルをするような走りをするとその違いに戸惑うことになるでしょう。本来のトゥーヒルはつま先でブレーキを踏みつつ踵でアクセルを煽るのですが、オルガンだと踵部分に支点があるので踏みずらい。その結果、踵でブレーキ、つま先でアクセルを煽るといった変則的な方法でのトゥーヒルが必要になるかもしれませんね。

若干話が逸れたましたが、総合的に良く出来た車です。年式も古いですし、排気量や重量の面からも維持費が高いので購入するには勇気が要りますが、その大きさと威圧感、安心感はかなりのものです。

現在なら価格もこなれてきており、購入価格自体はかなりお買い得になっています。しかし、年式の経った古い外車ですのである程度の出費は覚悟しておいた方がいいかもしれません。今回乗ったこの車も、エアコントラブルとオイル漏れを直したばかりのものでした。

逆に、この車を手放そうとされている方はよほど走行距離が短くない限りは二束三文の値段しかつきません。実際、自分の車の価値を知りたくなったことがあったらしく査定に出したことがあるようでしたがオーナーはショックを受けていました。

最後に補足として右ハンドル仕様は左がウインカーレバー、右がワイパーだから間違えのないように。私は一度やってしまいました

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